2006-08-07

8月例会

スピリチュアリティ研究プロジェクト例会では下記の通り、例会を開催します。
新井氏の発題では、スーフィー教団の概説の後に、映像作品を上映。
加納氏は今月カイロより中東支局長を終えて帰国し、その報告となります。
ご出席の方は事前に弓山達也までご連絡いただければ幸いです。

日時:8月20日15時〜18時
場所:慶応義塾大学三田キャンパス研究棟地下一階第三会議室
発題:
・新井一寛(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
「スーフィー教団研究における映像資料・作品の可能性」
・加納洋人(産経新聞記者、元中東支局長)
「イスラーム報道の現実」

2006-06-12

6月例会

日時:6月22日(木)18:30〜20:30
場所:慶應義塾大学研究棟地下一階第3会議室
・江島尚俊(大正大学大学院)
  教団の組織化と本山の聖地化―近代浄土宗を例として―
・伊藤聡洋(早稲田大学大学院)
  「消費社会と宗教―主体像構成における状況依存性と一貫性―

2006-04-13

2006年3月例会報告

■研究報告
  早稲田大学の平野直子は、「『二つの近代』再考」と題し、一般新聞・雑誌(宗教関係者・研究者を主たる読者対象としないもの)の新宗教についての言説の分析から、大正期と1980年代後半という二つの時代の特異性を探る試みについて報告した。
この二つの時代については、西山茂が新宗教研究の立場から類似点を指摘しており(「霊術」と呼ばれる「霊」への働きかけを布教・救済の手段とする新宗教の発生や、それを支えた「呪術・神秘ブーム」の存在など)、近代化の一段落期に現われる現象と捉えて「二つの近代」と呼ぶ。
 報告者は、現在の新宗教にあたるカテゴリが普及した明治20年代から、新新宗教の隆盛が伝えられた1991年までの新聞・雑誌記事を、新宗教というカテゴリ自体についての言及を中心に通時的に分析し、やはり上の二つの時代に同じ傾向を見出している。
新宗教というカテゴリは、宗教の非正統的・もしくは周縁的な存在として、また非近代的・「迷信的」である――つまりそれぞれの時代の「近代社会としての日本」イメージにふさわしくない――ものとして、二重の基準によってネガティブな存在と語られてきた。そこで新宗教が記事上で扱われる際、それが「近代社会日本」に存在するのかについて、説明と評価が行われることになる。
 特にこの評価の部分に注目してみると、(その実態が実際どうであるかということは、ここでは別として)それは常に「迷信的(「近代社会日本にふさわしくない、という意味での)」「現世利益的」であることをめぐって行われている。さらにそれぞれについて、一様に否定的に扱われる時期と、中立的ないしは肯定的な評価もされ得る時期がある。「現世利益的傾向」については1960年代以降、時代が下るにつれて中立的・肯定的評価がなされる傾向が見られる。一方「迷信性」について中立的・肯定的評価が下される時代は、間歇的に2度現われる。それが冒頭の、大正期と1980年代後半である。
 中立的または肯定的に捉えられる場合、この「迷信性」は科学による分析的知の限界の指摘など、「近代」を超えることと結びつけられる。上の二つの時代は、確固とした教義・組織をもつ制度としての「宗教」にとらわれず、科学を超える科学や、近代的個人観を超えるオルタナティブな生き方を模索する試み――現在「スピリチュアリティ」として描かれる対象にも通じる――が多く出た時期とされる。宗教関係者を対象としない新聞・雑誌記事に、こうした「今この社会を超える」試みを中立・肯定的に捉える言説が生じえたということで、こうした傾向が実践者たちだけでなく、広く共有されていたことを確認できるのではないか。
 こうした傾向が、大正と1980年代後半と間歇的に2度現われるということは、それが単なる歴史的過程なのではなく、モダニティ下のより一般的・機構的に由来している可能性を示唆していると考えられ、スピリチュアリティを考える上でも検討に値すると考える。(文責 平野直子)


■質疑応答
平野氏の発表後、フロアからは活発な質問や意見が寄せられた。その中で、質問が最も多かったのは、分析に用いた資料の選択基準や資料の扱い方に関するものであった。以下、箇条書きで質疑応答の要旨を述べることとする。

・ 今回の発表では「大正期(1910年代)と昭和高度成長期(1970-80年代)において、一般的なマスメディア(教団による刊行物や宗教研究の学術誌を除いたもの)に掲載されている新宗教言説には肯定的な表現が多いという類似性が見出せる」という分析である(分析に用いた史料は『読売新聞』と「大宅荘一文庫」)。しかし、それを社会的な傾向とするには史料的な偏りが見られ、論証が困難である点が指摘された。また、史料に掲載されている新宗教関連記事を抜粋する際、その基準が不明確で恣意的に行ってしまった可能性も拭い去れないこともフロアからの意見として提出された。

・ 発表者は、通時的にマスメディアに登場する新宗教への言説として「現世利益」「迷信性」が共通してみることが出来るとした。さらにそれらは「近代的ではないもの」として新宗教にレッテルを貼る際に用いられたと主張した。しかしながら「近代」「現世利益」「迷信性」など、発表者が用いた概念は確固とした定義づけが行われていないことが指摘され、それらの概念は互いに相関関係にある可能性も捨てきれないとの意見が出た。

・ 今回の発表では西山論文で提示された「二つの近代」性を検証することも目的の一つであった。しかし発表は西山論文の検証に終始し、これまでの行われてきた他の新宗教研究への目配りが不足していたといえる。そこで研究史的な意義付けがあまりされていなかった点が指摘され、もっと先行研究を抑えるべきとのアドバイスがなされた。

他の質疑も含め、30分を越える活発な議論がなされた。発表者はこれまで社会学のフィールドで新宗教研究を行ってきたためか、宗教学や宗教社会学における研究蓄積への配慮が若干不足していた感があった。また、史料の扱い方、正確な概念定義などやや曖昧さを残す点もあった。しかし、質疑には誠意ある態度で臨み、非は非として自省し、自分の主張はしっかりと伝える姿勢はフロアの共感を呼んだ。最後には、発表者の今後の研究指針や方向性などへの建設的なアドバイスもなされ、発表者・フロアにとっても有意義な研究会であったのではないかと思われる。(文責 江島尚俊)

2006-03-06

3月例会

「宗教と社会」学会スピリチュアリティ研究プロジェクト例会では下記の通り例会を開催します。ご出席の方は、一言、コメント欄に通知を願えれば(会場の準備上)助かります。ハンドルネームでも結構です。

日時:3月23日(木)18時〜
場所:慶應義塾大学三田校舎北館二階会議室1
 
内容
・研究発表:平野直子(早稲田大学大学院)
 「二つの近代」再考
 ―新聞・雑誌言説分析による大正期〈霊術〉の時代と
  精神世界・スピリチュアリティの時代の比較―
SSSRの大会(Religion V. Spirituality ?)へのエントリーについて
 

2005-10-22

11月例会

「宗教と社会」学会スピリチュアリティ研究プロジェクト例会では下記の通り例会を開催します。ご出席の方は、一言、コメント欄に通知を願えれば(会場の準備上)助かります。ハンドルネームでも結構です。

日時:11月12日(土)14:00〜18:00
場所:大正大学巣鴨校舎2号館3階232教室


・弓山達也(大正大学)
 霊性教育の可能性―ブログを使って「生きる力」を考える―
・堀江宗正(聖心女子大学)
 1995年以後の日本におけるスピリチュアリティにかかわる言説

2005-08-20

2005年9月例会

日時:9月3日(土)13:00〜18:00
場所:大正大学礼拝堂813教室(正門入って正面の建物)

・プロジェクト報告 13:00〜14:30
・中村雅彦氏(愛媛大学教授) 15:00〜18:00
 「トランスパーソナル学的視点から見た日本的なスピリチュアリティ」

中村氏について。
「現在の本職は心理学者、もう1つの仕事は宮司です。パラトラパ雅というHNの由来は、私の本来の専攻である社会心理学(人間関係論)に加えて、超心理学(通称:パラ)やトランスパーソナル心理学(通称:トラパ)の研究にも手を広げるようになったことにあります。大学でもこれらの研究領域について教育・研究に従事しています。霊性に関する心理学的研究は、私のライフワークになると思います。」(ご自身のサイト「やほよろづ.com」より)

2004-12-30

第4回研究会

執筆者を交えての『スピリチュアリティの社会学』(世界思想社)合評会

日時:1月22日(土)13:00〜18:00(終了後、懇親会)

場所:大正大学2号館3階232教室(正門入って左の建物)
JR板橋から徒歩10分/都営三田線西巣鴨から徒歩1分

評者:池上良正・島薗進

第3回研究会

〈葬送の未来を考える〉ワーキンググループ

日時:1月14日(金)13:30〜15:30

場所:慶應義塾大学三田校舎研究棟地下1階大社会議室
(社会学研究科会議室)

発表:井上治代「制度宗教におけるスピリチュアリティ
   ―仏教寺院にみる基盤転換の中で」

2004-12-10

第2回研究会報告(発表2)

河野昌広(早稲田大学大学院)
四国遍路に関連した個人ホームページに関する社会学的考察
[続き]

2004-12-05

<葬送の未来を考える>ワーキンググループ発足!

 第二回研究会で、<葬送の未来を考える>ワーキンググループの提案がなされました。スピリチュアリティを考えるために避けては通れない重要な課題です。
 プロジェクトメンバーのみなさん、いっしょに議論して行きましょう。
 これから定期的に研究会を行っていきますので、どんどん発表してください。よろしくお願いします。 [続き]

2004-11-27

2004年度冬期合宿

同じ「宗教と社会」学会のITプロジェクトのメンバーとともに、合宿を行います。
[続き]

2004-11-25

第2回研究会

日時:12月3日(金)午後16:30〜19:30

場所:慶應義塾大学三田校舎研究棟地下一階、大社会議室

発表1:赤田達也(慶應義塾大学大学院)
  日本的経営におけるスピリチュアリティの源流
  ―昭和7年の松下幸之助と天理教の出会いを中心として―

発表2:河野昌広(早稲田大学大学院)
  四国遍路に関連した個人ホームページに関する社会学的考察

2004-10-16

第1回研究会報告

日時:2004年10月15日(金)15:00〜17:00
場所:慶應義塾大学研究棟B1社会学会議室
発題:関口和真(関東学院大学大学院)
    知識交換機能としてのネットコミュニティ
参加者:7名
[続き]

2004-10-15

発起人

伊藤雅之(愛知学院大学助教授)
樫尾直樹(慶應義塾大学助教授)
弓山達也(大正大学助教授)

設立趣旨

 1980年代以降、日英米を中心とする先進諸国でスピリチュアリティをめぐって、さまざまな議論がなされてきた。本プロジェクトの目的は、これまで情報の蓄積においても、学術的な定義においても把捉しづらかったスピリチュアリティについて、主にインターネットのウェブコミュニティを通じて情報を収集、分析し、その成果を学術的な議論・応用の場に提供することである。
[続き]